御社は現在、どのような方法で給与計算を行っているでしょうか。
大きく分けると、給与計算は
・税理士に委託している
・社労士に委託している
・自社で行っている
・給与計算の代行業者に委託している
という4種類の方法に分かれるでしょう。
今回は、その中でも「自社でも給与計算はできるのか」という疑問を持っている人に対してお話したいと思います。
目次
給与計算を自社で行うのは簡単なの?
まずはじめに、給与計算を自社で行うのは簡単なのかという核心の部分から見ていきます。
結論としては「簡単にはできない」というのが答えになります。
その理由を挙げていきましょう。
1.法律・就業規則の遵守が求められる
給与計算において最も重要なのは、「法令遵守」です。
近年、働き方改革で、法律が大きく変わろうとしていることや、保険料の引き上げ、消費税率の引き上げなど、給与計算のルールが変わってくることがあります。
これらの情報を正確に反映させていくのは、専任のスタッフを用意しないと難しいでしょう。
「給与計算ソフトを使えば簡単なのでは?」
と言われることもあります。
しかし、これらのソフトを使っていても、業務の片手間でやっているケースでは、ソフトへの入力を間違っていたり、給与ソフト内の社員のデータ管理が煩雑だった場合などにミスが起きやすくなります。
特に、入社退社が多いような会社では、保険などの手続きなど、やることが非常に多くなりますので、
「正確に業務を行う」という意味合いでも、簡単とは言えないでしょう。
労務管理が難しい
給与の計算だけであれば、正確にデータを入力している事が前提ですが、給与計算ソフトである程度の業務が省けるのは確かです。
しかし、給与計算とともに、労務的な管理をする必要性もあるでしょう。
特に「年次有給休暇を5日以上取る必要性がある」など制度が変わったこともあり、直近の有給休暇取得日から1年間の有休取得数や、残業時間の管理が年々厳しくなっています。
こういった事を管理するために労力と時間を割くために、本業が疎かになっている会社も少なくありません。
勤怠管理も必要
給与の計算には、残業代の計算なども必要になりますので、必然的に労働時間を集計する必要が出てきます。
しかし、特に人数が少ない会社では、勤怠システムを入れていないところも多いでしょうから、タイムカードから労働時間を集計する必要があるかもしれません。
給与計算は代行してもらうのがベスト!
前項でも挙げたように、素人が給与計算をするのは、難しい点が多くあります。
そのため、多くの会社に取っては、社労士や税理士に給与計算を委託する方が良いのではないかと考えています。
税理士や社労士に給与計算を委託することには、大きなメリットがあります。
給与計算のミスが少なく正確
社労士や税理士は、給与計算も専門分野になります。
そのため、他社を含めて多くの給与計算の経験があるでしょう。
専門家に依頼するほうが、計算ミスなどが少なくなりますし、もしもミスをしたとしても、責任の所在がはっきりしており、その後の対策を取りやすくなります。
その他書類を作成してくれる
税理士や社労士に依頼すると、給与計算以外の部分の書類の作成も、代行してくれる事務所があります。
年末調整や健康保険の書類など、つい忘れがちな書類なども専門家が責任を持って代行してくれます。
タイムカードなどの集計も依頼できる
タイムカードにて管理しているような場合に、別途料金になりますが、集計も代行してくれる社労士さんは多いです。
そのため、自社の負担を最小限に手続きを行うことができます。
自社で給与計算をする場合、給与ソフトは必須!
資金的な関係で、どうしても税理士や社労士を雇う余裕がない場合、自社で給与計算を余儀なくされるケースもあるでしょう。
そんな時には、専用の給与計算ソフトを導入するのが良いでしょう。
最近は、クラウド給与ソフトも普及し、ネット上で処理を行う事ができるため、インストール作業などの準備が必要なく、比較的安価に利用できるものが多いです。
月に数千円から、数万円程度で給与計算ソフトを利用することができるので、非常に人気の高いものになっています。
とは言うものの、これらのシステムを使用するのであれば、社員の情報(氏名や入社年月日など)を管理する業務などが増えますので、業務的な負荷が減るという保証はありません。
しかし自社で給与計算を行う場合には、必須のシステムでしょう。
また、給与計算システムだけではなく、就業管理システムの導入も検討するべきでしょう。
就業管理システムでは、入退社の時期や社員の基本情報、マイナンバーや健康保険番号などを管理することができます。
また、勤怠データを管理できるので、タイムカードなどを使うよりも圧倒的に便利です。
特に、給与・人事関係で有名な奉行シリーズなどは、就業データと給与システムが連携できるなどの機能がありますので、業務の効率化ができます。
自社で計算をするなら情報収集はきちんと行う
自社で給与計算をする上で最も怖いのは、前述したように「法令遵守」です。
知らない間に保険料が上がっていて、後からその修正処理などをしようと思ったら、大変ですし、本業にも支障が出る可能性があります。
そのため、定期的に情報収集をすることが重要になります。
人事・給与システムを導入していなくても、それらのシステムを扱う会社に話を聞けるような関係性になっておくか、もしくは税理士や社労士との繋がりを作っておくと良いでしょう。
それ以外の代行会社に依頼するのはおすすめできない
社労士・税理士意外にも給与計算だけを代行してくれる会社はいくつかあります。
しかし、こういった会社に給与計算を委託するのはお勧めできません。
というのも、社労士や税理士と違って、一般の給与計算の代行業者は、書類の作成代行はできません。
税理士であれば年末調整等の書類の代行が独占業務としてありますし、社労士も健康保険などの書類の代行業務が可能です。
それらができない一般の給与代行業者を使うメリットは非常に小さいです。
また、価格が安いので、そのような企業に依頼される方も多いですが、お金という非常に繊細な部分を扱う給与計算です。
そのため専門家でない会社に依頼するのはリスクが大きいと考える必要があります。
まとめ
今回は、自社で素人が給与計算などをするのが簡単なのかということを見てきました。
不可能ではないですが、決して簡単ではないというお話をしてきました。
毎月給与計算は必要ですし、支払う日(給料日)は決まっていますので、業務を後回しにすることはできないでしょう。
代行料がかかったとしても、社労士や税理士に依頼する方がスムーズですし、最終的な業務負担などを考えると、コスト的にも委託した方がメリットは大きいと考えられます。
社労士探しのトライでは、全国の社労士さんとの繋がりがありますので、ぜひご相談ください。
投稿者プロフィール
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「社労士探しのトライ」運営者の山崎です。
全国で社労士紹介のコーディネーターをしています。
社労士さんについて知らない社長さまも多く、考え方のギャップを 埋めたい!と思い立ちこのブログサイトを立ち上げました。社労士の変更、新しく社労士をつけたい方はぜひご相談ください!
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