就業規則

就業規則は社員に共有しないといけない?見せないリスクとは?

就業規則は、会社を守る上で非常に重要なものになります。

人を雇う上では、トラブルが起こることは、できれば避けたいですが、どうしても避けられないときもあるでしょう。

 

そんな時のためにも、就業規則は大切なのですが、社員にきっちりと共有しておく必要があるのでしょうか。

 

特に、最近は法改正も多く、働き方改革を進める上でも、古い就業規則では対応できない問題も出てくるでしょう。

 

しかし、それらの変更を全社的にアナウンスした所で、興味を示してくれる社員がいるのかわからない。

 

というよりも、現行の就業規則を理解している人がほとんどいないかもしれない。

にも関わらず、案内をすれば人事部への問い合わせが増える可能性があります。

できれば業務は増やしたくない。

今回は、そんな就業規則に関するお話をしたいと思います。

 

就業規則を社員に共有する義務

就業規則を作ること自体は、従業員が10名以上の企業であれば必要になってきます。

行政官庁への届け出も必要になりますが、社員への共有はどうなのでしょうか。

実は、きちんと就業規則を社員に共有していないと、法的に「無効」になってしまう可能性があります。

無効になる事を含めて、就業規則自体を「見せない」ことに関しては、トラブルなどのリスクが非常に高くなりますので、論外でしょう。

 

就業規則の共有する方法は?

この就業規則の共有ですが、方法が定められています。

これは、労働基準法で「事実的周知」という名前で決められており、

その内容は「社員が就業規則を知っている・理解しているか」ということは問題ではなく、「知るための用意ができているのか」ということが重要になってきます。

労働基準法には、以下の3点が定められています。

・常時各作業場の見やすい場所へ掲示し,または備え付けること!
・書面を労働者に交付すること!
・磁気テープ,磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し,かつ,各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること!

最近は、なんでもデータ化する流れがありますが、「掲示による周知」「データによる周知」には、注意点があります。

それは、「その場所に就業規則が書かれている事自体をきちんと案内しているのか」
という点です。

誰も知らなかったけど、更衣室の就業規則が貼られていた。

このようなケースは無効になる可能性があります。

 

特にデータでの保存は、共有フォルダなどに保存することが多いでしょうが、階層が複雑になりすぎて、どこにファイルがあるのかわからなくなっている会社も多いでしょう。

 

そのため、全社的にわかる場所に保管しておくことが重要です。

 

おすすめの共有方法

就業規則をどのように共有するか。

この方法として、おすすめなのはグーグルサイトです。

グーグルサイトとは、グーグルが提供するサイトを作る機能で、誰でも簡単にサイトを作ることができます。

 

このグーグルサイトにて、社内で使うようのポータルサイトを作成すれば、就業規則を含めて社内規定なども全て一箇所に集めることができます。

 

特に小さな会社では、共有フォルダのような仕組みを作れないこともあるでしょうが、このグーグルサイトであれば、無料で利用することができます。

 

また、就業規則をpdfにしておけば、グーグルドライブ(同じくグーグルが提供するファイルを保存するための場所)と連携することで、非常に見やすいサイトを作ることができます。

 

Gメールを持っている人にだけ、共有するという設定もありますので、社外に漏洩したくない情報を保存する場所としても非常に優れています。

 

カレンダーを埋め込むことや、画像などのファイルを埋め込むこともでき、使い方によっては非常に便利な仕組みになっています。

 

就業規則は基本pdfで共有する

就業規則を作る際には、できるならpdfにして共有する方が良いと思います。

エクセルなどのファイルで作成して、そのままファイルを共有してしまうと、誰かが書き換えてしまう可能性もありますし、間違って削除してしまう可能性があります。

 

一度エクセルやワードで作成したファイルをpdfにして、原本は管理者しか触れない場所に保管しておくのが良いでしょう。

 

その際に、変更点があった場合などには、前の状態も保管しておきましょう。

 

「○年○月○日版」

 

というように、いつ発行したものかを明記した上で、過去の状態もできるだけ保管しておくことで、過去に退社した人とのトラブルにおいても、当時の就業規則と照らし合わせる事で、余計な時間や手間をかけることなく解決することができます。

 

紙媒体も確実に共有できる

掲示などの方法で就業規則を周知するのであれば、紙媒体で入社初日に渡すのが良いでしょう。

紙媒体であれば、確実に受け取った事がわかります。

 

ただし、トラブルになったときのために、最初に書類一式を渡す時に、内容を確認してもらって、受け取った事を示すサインをしてもらうなどすれば、より確実でしょう。

 

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口頭での変更は無効の判例がある

就業規則自体は周知していても、変更内容を随時周知していく必要があります。

その際に、毎回印刷するのが面倒だし費用もかかる。

 

そのため、朝礼で口頭にて周知を行った会社の判例がありました。

中部カラー事件(東京高裁平成19年10月30日判決)では、就業規則の変更や、変更によって退職金の計算方法を伝えたようですが、従業員がきちんと理解できていないという理由で、無効の判例が出たようです。

作成・保管・周知にはプロの手を借りることも検討しましょう!

裁判でも無効の判決が出ることからもわかるように、就業規則の周知方法や作成方法というのは、非常に難しいです。

もしも間違った状態で運営していても、すぐには害はないでしょう。

 

しかし、トラブルが起こった際に、間違った保管方法や周知方法のままでは、会社が振りになる可能性があります。

 

社会的にも会社よりも個人を守る社会へと変わりつつあり、法律もそれに伴って改正されています。

 

そのため、時代に合った就業規則の作成や保管・周知が求められるわけです。

しかし、本来の業務をやりながらこれらの調査や仕組みづくりをするのは非常に大変です。

ですので、こういった内容は社労士にお願いするのが理想でしょう。

 

社労士は、その道のプロですから、常に最新の法律などの情報を持っています。

前述したような裁判の判例も理解しているでしょうし、どのように保管・周知をすればよいのかも、多くの会社を見てきていることでしょう。

 

そういった専門家に任せることで、多少の費用はかかるかもしれませんが、トラブルの手間や時間を省くことができます。

 

まとめ

今回は、就業規則の周知方法について見てきました。

就業規則は、多くの会社で作成されていますが、その共有方法が曖昧な会社もあります。

トラブルが起きなければ良いですが、多くの人間が関わる会社という組織では、どうしてもトラブルが発生してしまいます。

 

そんな時に会社を守れるのが就業規則ですので、是非きちんと作成・周知していきましょう。

社労士探しのトライでは、全国の社労士さんを紹介することができます。

就業規則を含めて、会社の労務管理等の問題を抱えている人は、是非専門家の意見を聞いてみてはいかがでしょうか。

投稿者プロフィール

山崎友也(やまさきともや)
山崎友也(やまさきともや)
「社労士探しのトライ」運営者の山崎です。
全国で社労士紹介のコーディネーターをしています。
社労士さんについて知らない社長さまも多く、考え方のギャップを 埋めたい!と思い立ちこのブログサイトを立ち上げました。社労士の変更、新しく社労士をつけたい方はぜひご相談ください!
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山崎友也(やまさきともや)
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