会社や従業員が守るべきルールを定めた「就業規則」について、社労士に作成を依頼するか悩んでいる経営者の方もいるのではないでしょうか。
そもそも就業規則は会社にとって当たり前のものだと思われがちですが、従業員の人数が10人以下の場合でも用意する必要があるのでしょうか。
また就業規則がないことでどんなリスクが考えられるのでしょうか。
https://try-partners-sr.com/?p=899
就業規則とは?
会社や従業員が守る規則のようなものになり、会社の法律と呼ばれることもあります。
従業員など人を会社に雇い入れるときは、労働時間や給与だけでなく従事する仕事の内容や土日祝などのお休みについても、事前に話し合い決めておく必要があります。
就業規則には必ず記載しなくてはならない「絶対的記録事項」と、任意で記載する「相対的記載事項」があります。
そもそもこれは契約行為になり、詳しい条件は民法623条で定められています。
就業規則には絶対的記録事項と相対的記載事項がある!
人を雇うということは人事労務や給料などトラブルが起きてしまってもおかしくありません。
言った言わないになってしまい、伝えたはずなのに「聞いていません」と言われてしまえば何の契約もしていないことになってしまいます。
そのトラブルを防止するためにも、事前に話し合いをしてきめた契約内容を記した書類が必要になります。
これを就業規則と呼びます。
従業員とはできるだけ細かく約束を設定しておいたほうがいいのですが、たくさんの従業員に対して一人ひとり決めるのは不可能です。
そのため会社として一律の就業条件を用意して契約を結びます。
就業規則は会社にとっても従業員にとっても安心して働く為に必要なものです。
https://try-partners-sr.com/?p=889
従業員が10人以上になれば就業規則は必須!
就業規則ですが、従業員が10人以上になると法律によって作成が義務付けられます。
この人数の数え方には正社員だけでなくパートタイムやアルバイトも含まれます。
ただし、労働基準監督署に届け出ているかどうかについては明確な基準がありません。
就業規則について社会で周知されていれば効力を発揮すると言われています。
ただし就業規則に書いてあれば必ずしも何でも効力化できるものではなく、合理性に欠く内容でないときのみ【有効】となります。
従業員が10人以上になるのに、就業規則がないと問題になってしまい、なにかトラブルがおきたときに大きな問題になってしまうので十分に注意してください。
そもそも人が増えればその分トラブルが多くなります。
10人以上にもなれば経営者にとっても予想外のことが起きることも十分に考えられます。
従業員が10人以下での就業規則は必要?
従業員の数が10人以下の場合、就業規則を作るべきかどうか迷いますよね。
まず10人以下の会社の場合、作成する義務はありません。
そのため作成しても労働基準監督署に届け出る必要はなく、従業員が見たいといったときにいつでも確認できるようにしておけばいいのです。
10人以上の会社と同等に扱われるようになります。
10人以下の会社でも就業規則を作るべきかどうかについてですが、できれば用意しておいたほうがいいと思います。
従業員の人数が少ないときに就業規則を作っておくとそれに基づいた対応ができるようになります。
たとえば労働条件や服装などを決めるうえでもルールは明確にしたほうが安心できます。
なにか問題がおきてしまったときに懲戒処分を決める基準にもなりますし、会社内の秩序を守ることにも繋がります。
特に有給休暇や残業代などの権利は、部下から上司に確認しづらい内容になり、ついつい遠慮してしまいます。
就業規則にもともと記載されていれば確認しやすくなり、会社内の風通しも良くなります。
就業規則というのは労働の基本をすべて網羅しているものになりますので、会社のルールだけでなく労働基準法の法律を守ることにも繋がります。
従業員の人数が少ないうちから就業規則を整えておくことで、これから会社の規模が大きくなったときにも、就業規則をしっかりと守ったルールの基盤ができるのです。
従業員を増やすときに焦って作らなくてはいけなくなると、会社にとっても負担になります。
気付いたら10人以上になっていて対応が遅れた…なんてことにならないように注意したいものです。
就業規則がないリスクとは?
従業員が10人以下であれば就業規則を作るのが義務でないとすれば、わざわざ作る必要はないのでは?と考えてしまう人もいるのではないでしょうか。
もちろん義務ではないので絶対に作らなくてはいけないわけではありません。
ただし就業規則がないと、従業員とのトラブルになってしまうことも十分に考えられます。
会社のルールが明確になっていないとうことは、なにかトラブルがおきてしまったときに対処するすべがないということです。
例えば従業員が急に会社を辞めたいと申し出てきたとします。
法律上では従業員は退職を申し出てから2週間後には仕事を辞めることができます。
でも引き継ぎ期間を考えると2週間では準備が間に合わないことも十分に考えられます。
ギリギリの少人数で回しているような会社だと退職は大きな痛手になります。
次の人を雇ってと考えると2週間ではなく、1ヶ月ぐらいの時間が欲しいと思う経営者の方も多いと思います。
就業規則に記載がないとこれを従業員に求めることができないのです。
また業務上の不利益に対して懲戒免職処分を行えなくなってしまったり、従業員が欠勤したときに限度額を超えない範囲で給与から控除できるのですが、就業規則がないと権利があっても控除を行うことができなくなってしまいます。
就業規則で決められているようなルールが守られなくなってしまうのは会社にとってリスクになる危険性があるのです。
https://try-partners-sr.com/?p=833
まとめ
従業員が10人以下の会社であっても就業規則があったほうが、なにかトラブルがおきてしまったときに会社を守ることにも繋がります。
ただ作るだけでなく会社内の風通しを良くすること、安心して働ける環境を作ることが大切です。
特に働き方改革などが求められている今、事前に人事労務・給与などを決めておけば法律に則った経営にも繋がります。
10人以下だから用意しなくてもいいと思わずに、従業員が一人でもいたら就業規則を用意しておきましょう。
投稿者プロフィール
-
「社労士探しのトライ」運営者の山崎です。
全国で社労士紹介のコーディネーターをしています。
社労士さんについて知らない社長さまも多く、考え方のギャップを 埋めたい!と思い立ちこのブログサイトを立ち上げました。社労士の変更、新しく社労士をつけたい方はぜひご相談ください!
最新の投稿
- 社労士の料金相場2021.04.23【安い社労士に頼みたい!】格安の料金相場は?頼むデメリットはある?
- 【業界別】社労士探しのコツ2021.03.18【労働者派遣事業の許可申請】社労士に依頼すると費用はいくら?
- 【業界別】社労士探しのコツ2021.03.18【不動産業界に強い社労士とは?】6つの特徴を解説します!
- 【業界別】社労士探しのコツ2021.03.13【処遇改善加算の手続き代行】社労士に頼むと費用はいくらかかる?