社労士のなかには個人事業主として一人で業務をこなしている社労士もいます。
社労士に会社の業務を任せたいと思っている人のなかには、
「一人社労士に任せてもいいのか」
「もしくは社労士がたくさん常駐している事務所に任せるべきなのか」
迷っている人もいると思います。
今回は個人事業主の社労士に顧問を任せるメリット・デメリットについて紹介します。
目次
個人事業主の社労士とは?
個人事業主の社労士は、税務署に「個人事業主の開業・廃業等届出書」を提出し、屋号を持って活動している人たちのことをいいます。
社労士の世界では個人事業主として事務所を営んでいるケースが多く、開業時の手続きが簡単なことも理由の一つです。
またある程度の所得になると社労士も法人化したほうが税金が安くなることもあるのですが、登記費用や設立や決算時に必要な書類が多く手間もかかってしまいます。
法人の名前があると社会的なイメージが良くなることもありますが、現実には個人事業主として一人で活動し、社労士の仕事をしている人もたくさんいます。
個人事業主の社労士を顧問にするメリット
個人事業主の社労士を顧問にするメリットを説明します。
1. 社労士のスキルに差が出にくい!
個人事業主の社労士の場合、業務を担当者任せにせず社労士が担当する場合がほとんどです。
担当する社労士によってスキルに差が出てしまうのでこの社労士は満足できるけど、他の社労士とは相性が悪く思うように相談できず業務ができないなんてこともあります。
社労士の人数が多い事務所だとスキルに差が出てしまうことも考えられますが、個人の社労士はその会社について一通りを理解しているので安心して業務を任せられます。
2. 講師的な立場で教えている人もいるので安心感がある!
個人で事務所を構えているような社労士の場合、独占業務などは行わず人事コンサルタントやセミナー講師などの業務をしている社労士もいます。
個人で事業を営んでいる=社長なので幅広い知識を持っていたり、積極的に助成金を紹介してくれたりと、あなたのパートナー的な存在として業務をサポートしてくれます。
また、ある程度実績を積んだ人が事務所を構えている場合も多いので、さまざまなケースに対応してくれるのもメリットです。
3. 社労士の料金が割安!
諸手続きや相談・指導などの業務はその都度料金が発生するのではなく、定額で業務のサポートをお願いすることができます。
顧問契約に含まれていない業務が生じてしまったときでもお願いしやすいですし、細かい仕事を都度依頼するよりも総額にかかる費用が安く抑えられるのも大きなメリットです。
起業したばかりでどの程度の業務が生じるのかはっきりとわかっていない、まだ成長段階で気軽に相談できる人がほしい人にとって適切なアドバイスをもらえるはずです。
個人事業主の社労士を顧問にするデメリット
個人事業主の社労士を顧問にするデメリットを説明します。
1. 連絡が遅れがち
一人ですべての作業を行う個人事業主の場合は、一人あたりが担当して処理する業務量が多くなってしまいがちです。
そのため社労士にすぐに確認したいことがあっても対応できず、連絡が遅くなってしまうことも少なくありません。
顧問社労士にしていると業務のことで密に相談しながら進めていきたい人にとっては物足りなさを感じてしまうこともあると思います。
ひとりでやれる仕事には限界があり、組織の中ではスムーズに処理できる社労士でも個人で全ての作業を賄おうとしても限界があるのです。
もしもの事態がおきたときに、連絡が取れるのかどうか、対応してくれるのかなど契約する前に確認しておきます。
2. 依頼外の業務に対応できない
会社によっても社労士に任せている仕事の範囲は変わります。
一般的には「労務相談」「労働保険」「給与計算」などの仕事になりますが、なかには給与計算だけを任せている会社もあると思います。
会社の人事労務を担っていた人が辞めてしまったので、この業務もお願いしたいと仕事の範囲を広めても他の依頼によっては対応できないことも多くもともとの依頼内容以外の業務をお願いできないこともあります。
仕事の内容が変わるときは予め相談する必要があります。
社労士と契約すればそれでいいとはいえず、日常業務としてどんな業務をお願いしたいのか、依頼外の業務はどんなものが発生する可能性があるのかを明確にしておく必要があります。
3. 人件費がかかる
個人の社労士だからというわけではありませんが、社労士に業務を依頼する場合、毎月定額の人件費がかかってしまいます。
その人件費に見合った内容の依頼ができればいいのですが、社労士が忙しく思うように相談ができなかったり業務の依頼ができないと人件費が割高になってしまうこともあります。
人件費に見合った依頼ができているのかどうか、社労士にかかっている費用は適切かどうか判断するようにしましょう。
基本的に社労士の費用は会社の規模や任せる業務内容によって決まります。
また一部の業務のみ社労士に依頼したいときはスポット契約などもありますので、顧問で月の定額にするのか業務ごとの契約にするのか検討してくださいね。
個人事業主の社労士を選ぶときのポイント
個人事業主の社労士はたくさんの社労士がいる事務所よりも密に接する機会が多くなります。
社労士としての実績や経験はもちろん重要ですが、それ以上に「相性」も重要です。
例えばあまりにも年齢が離れていると話が合わないと聞いたことはありませんか。
心理学的にも20歳以上の年の差があると、意思の疎通が難しくなるとも言われています。
もちろん年齢だけが重要なポイントとはいいませんが、あなたの年齢プラスマイナス10歳ぐらいの間で話しやすい社労士を選ぶのをおすすめします。
また社労士でも誰でもできるような業務しかしない社労士と、付加価値の高いノウハウを持っている社労士では全く異なります。
特に社労士の仕事は目に見えてわかるものではないので、提供してくれるサービスの質や量を比較しながら「この人なら任せられる!」そんな社労士を選ぶ必要があります。
一度契約すれば長く付き合っていく可能性がありますし、社労士選びは慎重に行うようにしてください。
まとめ
個人事業主で社労士を選ぶべきか、たくさんの社労士が常駐している事務所を選ぶべきかまようこともあると思います。
社労士に会社のどの業務を任せたいのかによっても選ぶときの基準は変わってきます。
会社の大切な業務を担うのが社労士になりますので、人事労務や給与計算など安心して任せられる社労士を選ぶようにしてくださいね。
会社にとっても顧問で社労士がいると困ったときに気軽に相談できますので、社員にとっても安心感があり成長にも繋がります。
社労士はしっかりと比較した上で顧問契約を行うようにすることが大切です。
投稿者プロフィール
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「社労士探しのトライ」運営者の山崎です。
全国で社労士紹介のコーディネーターをしています。
社労士さんについて知らない社長さまも多く、考え方のギャップを 埋めたい!と思い立ちこのブログサイトを立ち上げました。社労士の変更、新しく社労士をつけたい方はぜひご相談ください!
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