身内同然だと思っていた元社員からいきなり訴えられ、途方に暮れてしまう経営者の方もいると思います。
勤めているときは、何の問題もないと思っていたのに、辞めた途端こんなトラブルになるとは思ってみなかったと話す人も…。
元社員が訴えてきたとき社労士にはどんなことをお願いできるのでしょうか?
また事前にどんな対策をしておくべきなのかも解説します。
元社員から訴えられるのはどんなとき?
元社員から訴えられるといってもイメージがわかない人もいると思います。
辞めた元社員から内容証明が届いたり、あっせん申立書が届いてしまうと対応しないわけにはいきません。
そのままにしていると会社としての存続にも関わりますし、他の社員とのトラブルに繋がることもあります。
会社を経営していれば思いもよらぬことがおきます。
トラブルがおきてから慌てることがないように、具体的な事例についてみていきましょう。
1. 人事関係
社員にとって不利になりやすい人事関係は、不満を持ち、それを理由に退社してしまう人もいます。
例えば急な転勤で家族と離れ離れになってしまうだとか、役職についていたのに降格させられてしまい、給料や待遇面が悪くなったなど様々なものがあります。
会社にとっては理由があるとしても、本人が納得していないと不利益にしかなりません。
また採用時に転勤があるのは通知しているから問題ないのでは?と思ってしまう経営者もいるのですが、社員のことをあまりにも考えていない異動や転勤はトラブルの元になります。
2. 給料関係
長時間労働や無理な残業はもちろん、賃金の未払いや給料面の待遇・賞与の支給などでトラブルなることも十分に考えられます。
そもそも社員の多くは生活の為に働いています。
一番重視するポイントでもあるのに、不当な扱いを受けているとなれば、訴えられてしまっても仕方ありません。
例えばサービス残業をしないと会社で浮いてしまう社風だったり、過度な仕事を押し付けておいて残業を認めず自宅で処理をしないと間に合わないなど…。
給料関係で訴えられてしまったとき、明白な賃金が決まっているのであれば、何を根拠に主張するのか、法律的な観点から考えなくてはいけません。
3. 解雇や懲戒
会社で雇っている社員とはいえ、解雇や懲戒を勝手に決めていいわけではありません。
社員は「労働基準法」で守られていますので、もし何か理由があったとしても法律に則った手順によって勧告して手続きをしていく必要があります。
会社都合での解雇や懲戒になると損害賠償金を請求されてしまうこともあります。
不当な解雇によって元社員に訴えられてしまう会社も少なくありません。
会社を守る為に予防法務に力を入れよう!
誰だって元社員から訴えられたくないものです。
今までそんな不満を抱えながら仕事をしていたとも考えたくありませんし、内容によっては会社の存続に関わることも考えられます。
社員に訴えられる状況を作り出さない努力が大切です。
会社を設立した当時はそのときの法律に則った就業規則を作っていても、年々新しい法令に変わっています。
特に“働き方改革”が見直されたこともあり、今までは許されていたことでも法律違反になってしまうことがあります。
原稿の法令に見合った内容になっているのか、誤差は生じていないかをしっかりと調べたうえで見直して行く必要があります。
もちろん、一度見直したらその後は整備の必要がないと思っている人もいるかもしれませんが、会社を経営していて社員がいる以上、継続的に見直していき会社の環境を整えていかなくてはいけません。
これらの人事労務関係は自分たちで見直すよりも、プロの社労士に相談しながら見直すべき点を洗い出し作り直していく必要があります。
自己流の知識で行ってしまうと法律違反の内容になってしまっていては意味がありません。
毎月のコストはかかるものの、訴訟を起こされてしまったときはもっと高額なお金がかかるので初期投資だと思い、実践するのをおすすめします。
元社員が訴えてきたときに社労士ができることは?
社労士とは、社会保険労使法に基づいた国家資格のことをいいます。
社労士は人に関する専門家になり、「労働及び社会保険の円滑な実施」を目的に事業の健全な発達と労働者の福祉の向上を目的としています。
社労士は幅広い業務位対応することができ、社員を採用することから退職までのすべてを担当しています。
労働問題や社会保険問題、年金の相談なども社労士の仕事内容になるのです。
では元社員から訴えられてしまった場合、社労士には何ができるのかについてですが、特定の訴訟の場面で「補佐人」として出頭することができます。
労働社会保険などが原因で問題がおき訴訟へと発展した場合、補佐人にとして裁判に出頭し意見を述べます。
社労士は会社の人事労務について理解し熟知しているので、問題に対して早期解決にも繋がります。
また、裁判外紛争解決手続の代行もありますが、これは「特定社会保険労務士」のみができる業務になります。
社会保険労務士の資格を取得したあとに特別な審査や試験に合格してはじめて取れる資格になり、あっせんの手続や特定の法律の調整手続きなども代理で行います。
元社員と経営者の両方の意見を聞いた上で解決に導いていく役割です。
まとめ
ただしこれらは社労士独占業務ではありません。
社労士にしかできない業務として認められているのは「労働社会保険に関する申請や届け出・報告などの書類を作成し手続きの代行を行う、帳簿書類の作成」などの業務です。
社内の人間でも作成することはできますが、素人が作ってしまうと正しい書類の形式になっていなかったり、時間がかかりすぎてしまい、本来の業務に支障が出てしまうこともあります。
そのため社労士に任せる人も多く、元社員に訴えられるなどのトラブルの防止にも繋がります。
投稿者プロフィール
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「社労士探しのトライ」運営者の山崎です。
全国で社労士紹介のコーディネーターをしています。
社労士さんについて知らない社長さまも多く、考え方のギャップを 埋めたい!と思い立ちこのブログサイトを立ち上げました。社労士の変更、新しく社労士をつけたい方はぜひご相談ください!
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