【一人親方】で特定の従業員を雇わず事業を営んでいる人もいると思います。
建設業はもともとケガのリスクが多い業種になるので、本来なら労災に加入したいものですが、一人親方の場合は、会社員が加入しているような労災には入れません。
建設業の一人親方で、労働保険事務組合に入るメリットはあるのかについて、詳しく説明していきます。
労働保険事務組合を検討していて、どうしようか迷っている方は参考にしてください。
一人親方とは?
従業員を雇わずに、自分自身と、家族だけで事業を営んでいる人のことを指します。
業種は、土木・建築・その他工作物の建設や改造・修理・保存・変更・破壊もしくは解体業まで広がります。
常勤として労働者を雇わない個人スタイルで、現場によって必要なときに人を雇い業務を行うこともあります。
また労働者を使用していても、使用期間が“年間100日未満”の見込みであり、請負契約で仕事をしている人も含まれます。
また同居かつ同一生計の家族のみで、仕事を請け負っている場合も同様です。
主な職業としては「大工」「とび」「左官」「石工」「建具師」が該当します。
ただし建設業であればこの職業でないといけないなどの決まりはありません。
例えば、ガラス工事・屋根工事・舗装工事・フィルム工事・さく井工事・消防施設工事などの対象になることがあります。
一人親方が労災に入るための労働保険事務組合
一人親方の場合は、「労災保険の対象外」になります。
そのため建設現場でなにかあったときの労働災害についての補償がないのです。
なかには仕事中になにかケガをした場合、「元請けの保険を使えるのでは?」と思っている一人親方の方もいるのですが、絶対に使えるとは限らず、なかには泣き寝入りしてしまう人もいます。
そろそも労災とは、労働者が仕事中にケガをしたり、通勤途中で事故にあった場合、負傷・疾病・障害・死亡等に対しての保険給付を行う制度になります。
会社員であれば加入するのが強制になっているので、労災に加入していない事は考えられません。
対象者が基本的に労働者に限定されているので、一人親方は対象外になってしまうのです。
ただし労働災害にあう危険性は、通常の労働者と変わらず、保護が適切といえる人たちもいます。
そのため、一人親方でも労働保険事務組合に加入することで、本来加入対象外になっていた労災に加入できるようになります。
ただし条件として、事務作業を労働保険事務組合に委託しなくてはいけなくなります。
なかには事務作業を別の人に依頼することに対して不快感を持ってしまう人もいるのですが、業務の簡素化にも繋がります。
労働保険事務組合には誰でも入れるの?
一人親方として仕事をしている人は、個人事業主として一人で仕事を請け負っている人もいれば、法人の代表の可能性もあります。
(※法人の代表も雇われているわけではないので労災に加入できません)
個人法人は問わず以下に該当する場合は、労働保険事務組合に加入できます。
・会社に雇用されることなく個人で仕事を請け負い建設業を営んでいる
・特定の会社に属しているものの、その会社と請負で仕事を行っている
・仕事自体はグループで協力しあいしているものの、雇用関係の縛りはない
・見習いとして仕事をしているものの、見習い先に雇用関係がない
これらのケースは一人親方に分類されると考えられています。
実際、自分が一人親方に分類されるのか迷ったときは、事前に確認してから手続きを行うようにしてください。
労働保険事務組合に加入する為には、一人親方の団体を通じて申込みを行います。
【一人親方労災保険制度】と呼ばれているものがあり、建設業を営む人向けに労働災害補償制度を提供しています。
ただし建設業のなかでも業務の種類によって、加入する前の健康診断が必要になることもあります。
従事期間が決められているものの、健康診断の必要性も確認しておくようにしてください。健康診断にかかる費用は無料なので安心してください。
ただし健康診断でなにかしら病にかかっている場合は、加入が制限されてしまうこともあります。
一人親方が労働保険事務組合に加入するメリットとは?
一人親方が労働保険事務組合に加入することで、どんなメリットが得られるのかについて説明していきたいと思います。
加入を検討する際の基準にしてくださいね。
まず、労働保険事務組合に加入すると通勤途上での事故でも、一般の労働者と同じ扱いになり、給付基礎日額に応じた補償を受けることができます。
他にも仕事中にケガをしてしまったときに、
自己負担を支払わずに無料で治療ができたり仕事中に死亡してしまったときに遺族に対して、遺族の員数と給付基礎日額に応じた補償が支払われます。
また、ケガの治療の為に休業したときは、休業補償の給付があるので安心してケガの治療を受けることもできます。
建設業界の仕事はどんなに気を付けていても、思わぬことでケガをしてしまうこともあるので、事前に労働保険事務組合に加入していることで本人だけでなく、家族の生活を守ることにも繋がります。
また一人親方の家族従事者も労働保険事務組合に加入できるので、ケガなどの万が一の事態に備えることができるのです。
また、労働保険事務組合に加入していることが、委託先にとっても安心感に繋がります。
例えば事故がおきてしまったときに、どちらがその費用を負担するのかしないのかによってもトラブルが起きてしまうこともあります。
ケガの多い建築業だからこその安心感もありますし、委託しやすくなりますよね。
一人親方ですと自分の体が資本になるので仕事をするうえで、万が一ケガをしてしまい入院や長期治療が必要になってしまうと、日々の生活に支障が出てしまうこともあります。
病院で治療しようにも高いお金もかかりますので、ケガをしないと思わずに労働保険事務組合に入り自分だけでなく、家族従事者の安全も守るようにしましょう。
労働保険事務組合の手続きは自分で行うこともできますが、社労士に依頼することもできます。
日々の業務に負担のかからない方法で、手続きができるように注意してください。
投稿者プロフィール
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「社労士探しのトライ」運営者の山崎です。
全国で社労士紹介のコーディネーターをしています。
社労士さんについて知らない社長さまも多く、考え方のギャップを 埋めたい!と思い立ちこのブログサイトを立ち上げました。社労士の変更、新しく社労士をつけたい方はぜひご相談ください!
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