これまでは長時間労働や低賃金、残業代の未払いなどがある会社がブラック企業だと言われていました。
しかし最近は、有給休暇が取りづらい会社も「ブラック企業」であると言われるようになってきています。
中小企業は有給休暇については対応が遅れがちですが、何もしなければ従業員が辞めていったり、採用が難しくなったりするリスクがあります。
目次
【重要】パートやアルバイトにも有給休暇は発生する
例えば週に2日、いずれも2時間だけ働くアルバイト従業員がいたとします。
この従業員も入社後半年経てば、【3日有給休暇】を付与しなければなりません。
週に1日も満たないような働き方をしている従業員以外は、最初は半年後、以後は1年ごとに有給休暇が発生します。
雇用形態に関わらず、半年働いたら、有給休暇が発生する!
労働者であれば雇用形態の呼び名に関わらず、未成年でも高齢者でも同じです。
有給休暇の日数は週の勤務日数と勤続年数で変わります。
こちらの表で確認していただけると分かりやすいと思います。
※【参照】厚生労働省HP
【有給休暇の義務化】10日以上のうち、5日を取得させる
今年度から法律で新たに定められたのがこの義務です。
会社が従業員に10日以上有給休暇を与えた場合、与えた日から1年間の間に、5日以上取得させなければなりなくなりました。
フルタイムの社員だけではなく、週3日(5年半以上勤務)か4日(3年半以上勤務)働く従業員も勤続年数によっては、この義務の対象になることがあります。
労働基準監督署の臨検でも今後はチェックされる事項の一つになります。
日数もわからなければ、計算法も分からない会社が出てくる可能性が高い!
パートやアルバイトに有給休暇をあげたことのない会社では、従業員から私の有給休暇は何日ありますかと急に聞かれても答えられないかもしれません。
また有給休暇を取らせたとしてもその日の分はどのように給与を計算したらよいかわからないこともあるでしょう。
「ウチは有給休暇はない」などとはもう言えない時代になっています。
実は難しい有給休暇の給与計算
5日の取得義務の対象かどうかにかかわらず、会社は従業員から有給休暇について聞かれる前に、それぞれの従業員にいつ何日分付与し、今、合計で何日使えるかを知らせておく必要があります。
週に決まった日数ではない働き方の場合は、過去3ヶ月分の給与から1日分を計算する方法を採ることもあります。給与計算のときに慌てないようにしておく必要があります。
有給休暇の買取り(換金)はできない!
例えば、【勤続8年くらいで、週4日、1日6時間、時給1,000円働く人】がいたとします。
ある日、この人が辞めることになったとき、使っていない有給休暇40日分を買い取って欲しいと言われたらどうしますか?
単純計算で6,000円×40日=24万円となります。
しかし法的には買い取ることはできないとされていますので、実はこの要求には応じる必要はありません。
安易にこれに応じると、他の従業員からも同じようなことを言われることになり、結果として慣習化してしまいます。
退職時に「全部有給休暇を取る」と言われたら?
他にも、従業員の退職時に一括申請されることがあります。
「使っていない有給休暇(最大で0日)を全部取ると言われたらどうしますか?」
ここで安易に「ダメだ」と言うことはできません。
そうなった場合にどうするか、そうならないためにどうしたらよいか、というのを考えておかないと従業員が退職時に恨みを持ち、退職後に未払い残業代やハラスメントで会社を訴えることもあるかもしれません。
社労士に相談をするのがベスト!
有給休暇の対応が後手になるとトラブルに発展する可能性が高くなります。
有給休暇の取りやすい仕組みづくりや積極的な消化は、従業員の採用時にもアピールでできる点になりますし、退職後のトラブルのリスクを減らします。
有給休暇は働く人が重要視しているポイントです。
有給休暇制度の適正な実施は就業規則とその運用によります。ぜひ社労士に相談し、自社の有給休暇について見直してみましょう。
投稿者プロフィール
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「社労士探しのトライ」運営者の山崎です。
全国で社労士紹介のコーディネーターをしています。
社労士さんについて知らない社長さまも多く、考え方のギャップを 埋めたい!と思い立ちこのブログサイトを立ち上げました。社労士の変更、新しく社労士をつけたい方はぜひご相談ください!
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