社労士といえば会社の人事労務や給料面などなんでも相談でき、とても頼りになる存在でもあり、よきパートナーといった印象があります。
経営者にとっても従業員には相談できない内容やアドバイス、新しい補助金の情報などを教えてくれるのでとても助かります。
そんな社労士に業務を任せている人も多いと思います。
そんな社労士がミスをしてしまった…ともなれば一大事です。
会社にとってのリスクにはどんなものがあるのか?また損害を請求できるのかについて解説していきます。
目次
社労士でもレベルの違いがある
社労士とは社会保険労務士のことをいい、労務士と呼ぶこともあります。
同じ社労士でも資格を取ったばかりの実務経験なしの社労士と、実際に何件も案件を担い経験を積んでいる社労士など違いがあります。
そもそも社労士といっても1968年に社労士法が発行されたときに、特例として行政書士が試験を受けることなく社労士の資格が取れた時期もありました。
これによって9000名の人たちが社労士資格を得たとも言われています。
現在の社労士は難しい試験を突破しないと資格を取得することができません。
社労士でもいつ資格を取ったのか?によっても変わります。
社労士を選ぶときに、今までの実務経験や人柄なども合わせて、【この人であれば会社の大事な業務を任せられるという人】を選ぶようにしてください。
社労士のミスとは?どんなものが多いの?
社労士に任せる業務によっても異なりますが、具体的に多いミスはこの2つです。
1. 新しい法律についていけてない!
社労士の年代によっても違うのですが、以前であれば、正しい処理方法だったものでも現代の法律とは異なる人事労務になってしまっている社労士もいます。
ご年配の社労士の方に多いのですが、裁量労働制で見ると「企画業務型」と「専門業務型」があります。
いずれも比較的新しいものなので理解できていない社労士もいます。
法改正は常に行われていますので、資格を取ったあとは独学で学んでいかないといけないのですが、それができていない社労士もいます。
日々の業務に追われすぎている社労士などもその可能性があります。
2. 計算ミス
社労士の仕事は給料など細かなものが多く、本来であれば絶対にあってはいけないミスでもあります。
社会保険料の天引きの計算ミス、源泉徴収のミス、年金の計算など含まなくてはいけない項目を入れ忘れたり、単純に数字のミスなんかもあります。
給料計算の精度は従業員と契約者にとっての信頼の証にもなります。
複雑な計算が必要になるので全くミスしないというのは難しいかもしれません。
他にも育休手当の計算が間違えていて、従業員が本来もらえるはずだった金額よりも下がってしまったなんてケースも。
また、給料面でのミスだけでなく、明細をクリアファイルにして他の人にも見える形で渡してしまう社労士もいるようです。
ミスをすること自体がいいことではないのですが、ミスをしてしまったときの対応によっても社労士への感じ方は変わると思います。
ミスするのが当たり前だろって顔をされたら社労士との信頼関係も成り立ちません。
また、ミスの多い社労士は月額15,000円などとにかく格安料金で社労士業務を受け付けているような事務所に多く、経験の浅い社労士に担当させていたり、数をこなすばかりになってしまっている場合もあります。
社労士がミスをしてしまったときの損害賠償は?
社労士がミスをしてしまったときですが、まず社労士とどういう契約になっているのかによっても変わります。
ミスが発覚したときに【損失を社労士が負担する】となっていた場合は、損害賠償をせざるえなくなります。
またこれらのトラブルが起きてしまったときに「全国社会保険労務士連合会」に相談できる、情報処理相談窓口などで対応してもらうこともできます。
都道府県の社労士会に懲戒処分を請求することもできます。労士の対応が不十分なときに相談できる先として覚えておくと安心です。
社労士にとっても、もし監督署に訴えられてしまったら…と不安に思いつつ、業務を行っている社労士もいます。
あっせんや労働審判などの訴訟を最終的な部分まで想定したうえで、事業主にアドバイスをしています。
例えば給料計算などのミスがあった場合、「不当利得返還請求」を使うことによって、損益分を全額返還請求することもできます。
そこで全額返さなければ訴訟に進むことがあります。これらの経緯は社労士のミスの内容によっても変わります。
経営者や会社にとって不利益なことがあり、社労士の業務についてなにか問題があれば、訴訟を起こして訴えることもできます。
社労士は弁護士に相談したうえで裁判を行い、訴訟の結果が決まります。
ミスの多い社労士は見直すべき!
実際に会社で依頼している社労士にミスが多かった場合、一度依頼した以上、諦めるしかないのかなと思ってしまう人もいるかもしれません。
ですが、ミスの多い社労士は安心して業務を任せられないばかりではなく、従業員にとっても不安の種になってしまいます。
特に顧問契約として任せている業務が多かったり、給料など従業員の生活に関わるような内容の場合は、そのまま社労士と契約をしていても何もいいことはありません。
ミスが多いことをきちんと理由として述べ、契約を解除したうえで新しい社労士と契約しましょう。
そもそも社労士とは相性も重要ですし、人事労務などの重要な部分を任せているのですから、納得できないときは伝えたほうがいいでしょう。
顧問契約をしているときは、あなたの会社で社労士を雇っていることになりますので、社労士にミスを指摘してはいけないものと決めつけてしまい、会社が損をしてしまうような結果にならないように注意してください。
まとめ
社労士に任せる業務の内容はすべてヒトに関わるものなので、ミスがないに越したことはありません。
でも社労士事務所によっては、新人で経験の浅い社労士に仕事を任せていてミスが増えてしまうなどの、悪質な社労士事務所もあります。
そんな社労士に仕事をお願いしてしまった場合、会社の成長できるチャンスを逃すことになりますので、社労士選びは慎重に行い、長く付き合える社労士を探しましょう。
投稿者プロフィール
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「社労士探しのトライ」運営者の山崎です。
全国で社労士紹介のコーディネーターをしています。
社労士さんについて知らない社長さまも多く、考え方のギャップを 埋めたい!と思い立ちこのブログサイトを立ち上げました。社労士の変更、新しく社労士をつけたい方はぜひご相談ください!
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